日本全体が少子化の悩みに直面している中、注目すべき地域があります。
それが「さいたま市」です。
この都市の人口増加率は全国トップを誇っており、その理由は何故なのでしょうか。
一般的に少子化の影響を受ける地域が増えている中で、さいたま市だけが着実に人口を増やし続けているのか不思議ですよね？
やっぱり「翔んで埼玉」だからでしょうか！
「だサイタマ」から成功へ！子どもの人口増加率「１位」をキープ
この少子化の時代に日本全体が人口減少という課題に直面していますが、その中で埼玉県さいたま市が異彩を放っていることは驚きの一つです。
さいたま市は、子どもの人口増加率がなんと８年連続で「１位」を維持しており、その理由は「集客」と「ブランディング戦略」に関心がある人々にとって興味深い内容と言えるでしょう。
首都圏の「住みたい街ランキング」において、さいたま市はなんと３位にランクインしており、他にも人口増加率・0～14歳の転入超過数・政令指定都市幸福度ランキング・中学生の英語力・サラリーマン世帯収入など、さまざまな側面で急成長していることが示されています。
これは埼玉県内から周辺の魅力的な街が数多く存在する状況の中で、ますます注目に値することでしょう。
今や、さいたま市は「だサイタマ」と揶揄されていたイメージを一掃し魅力ある都市として躍進しているのです。
ではなぜさいたま市がこのような急速な復活を遂げたのでしょうか？
その答えは民間企業の経営と地方自治体の行政が、実は非常に似通っているからだと思われます。
さいたま市は、周辺に競合する魅力的な都市が点在し市内には特に際立った「強み」が存在しないという状況にあります。
海もなく・歴史もなく・空港もなく・観光名所もなく・産業も乏しい。
このような状況下で、さいたま市は他の都市と競り合い、自身の魅力を高めていく努力を続けています。
さいたま市の成功の秘密は行政としての継続的な努力と市民への魅力的なサービス提供にあるかもしれません。
この街は油断すると人口流出のリスクが高い都市でありながら、絶えず進化し続け新たな価値を提供しています。
その結果、人々はこの街に魅了され移住し暮らしを始めているのです。
少子化の時代に、さいたま市の成功から学ぶべきことが多く、そのブランディング戦略は、とっても有益なヒントを提供しています。
「英語教育」がもたらす「さいたま市」の大躍進
どうやって街の人口を増やしたのか？
さいたま市は「英語教育」に予算を突っ込んで、新たな魅力を打ち出すことに勝負を賭けたんですね。
全国に先駆けて、小中学校の英語教育に力を入れ独自の教材を用いて、１クラス３人態勢の英語の授業を実施。
一般的な小学校と比べて２倍の英語の授業時間を設け、中学校になると一般の中学校と比べて50時間も多く英語の授業を実施しました。
その結果、全国の中学３年生の英語教育の実施調査において英語検定3級相当の英語レベルが、全国平均42.9％のところを、なんとさいたま市は「86.6％」と、全国１位に大躍進することになりました。
その功績はメディアで大きく取り上げられ「英語教育が充実している街で子育てをしたい！」という若い夫婦がこぞってさいたま市に引っ越してきたことで「人口増」という戦略に成功した街として脚光を浴びるようになったのです。
さいたま市のすごいところは「投資がうまい街」この１点に尽きるわけです。
さいたま市の浦和地区は昔から小中学校の進学熱が高い街として知られており、一時期は「浦和地区の小学校に子どもを通わせたい」という理由で浦和地区に引っ越してくる人が急増し地価が急騰したという歴史があります。
おそらく「教育が充実した街にすれば親は子どもを連れて引っ越してくる」という過去の浦和地区の人口増の経験から、さいたま市は一点突破の人口増の施策として「英語教育」で勝負をかけたのではないかと思います。
さいたま市は、できるだけ低予算の投資でなおかつ成果が出やすい「英語教育」を武器に税金を徹底的に投入することで、さらに人口が増えて税収が増加し、そのお金で街のサービスを充実させ人口が増えるサイクルを作り上げたのです。
みなさんは、さいたま市のような最小限の「投資」で、最大限の「売上」を出すような施策を行っていますか？
さいたま市の成功から学ぶべきことは民間企業にとっても有益な示唆を提供しており、地方自治体と企業が共通の課題に取り組む際のヒントとなることでしょう。
政令指定都市の舞台裏！さいたま市の政令指定都市としての成功と挑戦
さいたま市は日本全国に20ある「政令指定都市」のひとつであり、この地位には大きな利点があります。
自治体として新しい政策や取り組みを実現する際、埼玉県庁を経由せずに直接霞が関の省庁と連絡を取ることができるのです。
このことから、さいたま市の市政は政策を素早く市民の意向に合わせることができ、高い満足度を持つサービスを提供することが可能です。
しかし政令指定都市の地位には逆にデメリットも存在します。
少しでも政策に対する過度な緩みが生じれば市は「ただ人口が多いだけの街」というイメージを払拭するのが難しくなり、機能不全を引き起こす可能性があるのです。
そのため、さいたま市は常に緊張感を保ち失敗を許さない立場が求められます。
この状況は、フリーランスのスタイルに近いとも言えます。
幸福度ランキングでさいたま市が政令指定都市中３位に⇒https://www.city.saitama.jp/iijan/nobinobi/post/005.html
首都圏の「住みたい街ランキング」でさいたま市は３位⇒https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/data/sumimachi2023syutoken_eki/
